チクショウ! ボーンアゲインの家に乗り込んでみた

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それなりに説明すると数千字レベルのブログ記事になるし、短く1言で済ませれば「なんやかんやと道中色々ありまして」ってな感じで、バスを乗り継ぎロックバン・ケソンに辿り着いた私とイミテーションワイフ。

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なんやかんやの前回記事

 

結局、イミテーションワイフには、彼女が寝ている間に起きたバンでの騒動は説明しなかった。

変に恐がられてもイヤだし、何よりそう、面倒くさいんです。

 

さらに言えば、バンを降りた後にバスと呼ばれる超ロングジープニーでも、ちょっとしたドラマが生まれてまして

 

それまで書いちゃうと、旅行の内容の薄さが際立つというか(実際、旅行についてはブログに書くほどのエピソードないです)

 

ちょっと旅行行くだけで、本当にそんな色々起きるのか? 話し作り過ぎじゃないの? って疑われるレベルなので、ロングジープニーでのエピソードは省略。

 

んで、やっとこさ辿り着いたロックバン・ケソン。

早々に怪しげな宗教ボーンアゲインの館に乗り込んだると意気込んでいるものの、先に到着しているハズのイミテーションワイフの娘と連絡がつかない。

 

ボーンアゲインの館の場所は、イミテーションワイフも知らない。

同じケソン州だと言うのに、8:30に出発して、到着が午後2時。

腹が減っているので、娘と連絡が取れないのならメシでも食おうと、食堂でメシを食いだす。

 

メシを食いだした途端に、娘から連絡が入り、ボーンアゲインの館では我々の為に昼飯の準備をしていると言う。

せっかく用意してくれていたのに、何故メシを食っているんだと、電話の向こう側で娘が母にギャーギャー言ってる。

 

んじゃ、さっさと行ってあげないとと思い、急いでメシを食うと、隣に座っていたオンナが、何故かエクストラライスを注文する。

そして運ばれてきたライスを私の皿の中に入れる。

 

何をどれだけ作っているのか知らないけど、先方でメシを作ってくれたのであれば、クチにしないというわけにもいかないだろうと思っていたので、さっさとメシを切り上げたかったのだけど、気をきかせたツモリでメシのおかわりを注文するイミテーションワイフ。

 

どうも、相性があわない。

オレはフィリピンの気候や生活や人間に合わせて、すごく穏やかな性格になりつつある。

なのに、フィリピンでは、気にしてはいけない細いところで、イミテーションワイフに苛立ちを覚えてしまう。

やはり、性格が合わないのだろうか

 

イミテーションワイフに、頼んだおかわりのメシを半分づつにしようぜと提案する。

半分くらいなら、この後もう一度食べる事になっても、食べているフリをする程度の量は、腹に入れられる。

だけども、完全に2つ分食べたら、以降数時間は何も食べれなくなってしまう。

 

わたし : おい、メシ、半分食えよ!

 

ワイフ : 私はいいから、あなたが全部食べて!

 

チッ! 勝手に頼まれたおかわりのメシを全部やっつけるハメになった。

仕方ないと諦めて頑張って食べていると、隣のイミテーションワイフが、ハーフライスをオーダーしている。

そして、涼しい顔して、メシを食ってやがる。

 

ギッギギッギー(怒りで歯ぎしりする音)

オレは一体どうすればいい?

 

猛烈に怒りを感じるんだけど、それがゴハンのおかわりについてかと思うと、怒鳴り散らすわけにもいかない。

いや、きっと、ゴハンのおかわりについて、オレは怒っている訳じゃない。

気の利かせ方が、私の意向と反対にあって、ぜんぜんオレ達は分かりあえていないからなのだろう。

 

伝えたとしても通じ合えない。

だけども、私はこの不機嫌さを隠し通す事は出来ない。

だから、一体何に怒っているのか分からせる為に伝えよう。

 

私はイミテーションワイフに話しをする。

これから向かう先で、メシを作っていると知っているのに、何故おかわりを勝手にオーダーしたのか?

勝手にオーダーしたおかわりを半分づつにしようと提案したのに、それを拒否した上で、何故さらにおかわりをオーダーするのか?

 

ah sorry ha

と悲しそうな顔をするイミテーションワイフ。

 

イミテーションとは言え、あなたを奥さんに選んだオレの方も怒りに任せてひっぱたきたくなるほどに悲しいです。

 

本当に自分の思った通りに行動して良いならば、1人で帰りたかった。

一緒にいたくない。

久々に一緒に過ごして思う。

長い時間を過ごすほどに嫌いになりそうだ。

そして、これから、良く知らない人の家に伺うのに、あまりにも私の精神状態が乱れすぎていて恥ずかしい。

 

でも、でも、仕方ない。

ここで私が帰れば、イミテーションワイフもついてくるだろうし、色々と準備したかもしれないボーンアゲインファミリーにも悪い。もちろん、我々とボーンアゲインの接点になっている娘の顔を潰す事になってしまう。

私が少し我慢すれば、丸く収まるのだ。

 

それにしても、何故、イミテーションワイフが、ただのワイフに格上げ出来ないのか?

何故、自分の世話を自分でする事もできない私が、まるっきりお世話をしてくれるイミテーションワイフから逃げ出したのか?

こういう事なのだろうと思う。

 

 

気をとりなおして、ボーンアゲインの館に向かう。

メシを食った食堂からバイクで10分もかからない場所だった。

なんか牧場みたいな場所。

牧場みたいな広い野原なのだけど、牛や馬はいなくて

建物が建っているけど窓とか無いし、このランハウ(ハエ)が喜びそうな香ばしいアモーイ(ニオイ)、そうか! ここは養豚場だ!!

 

ボーンアゲインファミリーは、我々をお迎えするのに子豚を一頭しめたらしい。

テーブルの上には大量のLIEMPOがのっている。

 

それにしても大量だ。

子豚と言っても10キロ以上はあるのだから、当然かもしれない。

そして、子豚一匹の命と引き換えに、盛大にお迎えしてくれる演出をしてくれたのに、イミテーションワイフのせいで、味見をしたいとさえ思えない。

 

オツムの弱いイミテーションワイフは、テーブルの上の大量の料理を見て、ブソグ ブソグ(お腹いっぱい)と念仏の様に唱えている。

そして、その娘は、ご飯用意しているのに、なんでメシなんか食ってきたんだとブーたれている。

 

普通の家なら、挨拶も早々に、とりあえず飲みましょう! となるのだけど、聖職者の一家だからなのか、アルコールの類いは用意されていない。

その点については助かった。

 

豚小屋でバーベキューをするボーンアゲインのファミリーは、お父さん、お母さん、共に40代後半と思われる。

そして、イミテーションワイフの同級生の男の子。

同級生の子の兄と姉が1人づつ、そして妹1人の合計6名で、ローテーションでバーベキューの担当をしていた。

他に、仕事でいない長男と長女がいるらしく、子供達は全部で6名になるらしい。

 

私が興味津々だったのは、宗教でも無ければ、人間でも無く、豚。

オヤジには、豚の話しばかり、3時間ほど語ってもらった。

 

オヤジは、豚を全部で約200頭飼育している。

バーベキューを食べた場所以外にも、もう一箇所、近くに養豚施設を持っている。

産後1ヶ月ほどの豚を12,500ペソ+輸送代で購入。

4ヶ月後に1頭約20,000ペソで販売する。

豚は4ヶ月ほどで100kgほどに成長するので、キロ200ペソという事になる。

1頭に必要な経費は、エサ代で8,000ペソだそうだ。

それ以外に、豚の飲み水と豚小屋の掃除に必要な水道代は、豚の頭数が多ければ高くなるけども、1頭単価の経費は安くなるので計算しづらいけども、4ヶ月で1000ペソもかからないだろうとのこと。

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ここで、ザックリの計算をしてみよう。

売値20,000-エサ8,000-1,000-仕入2,500-輸送?

8,500-輸送代となる。

 

やっぱり良い商売だなぁと思っていると、それ以外にも発生する経費がある事を教えられる。

輸送代は、子豚の入荷時だけで無く、出荷時にも発生する。

それと豚を殺す施設に払う代金も発生する。

8,500ペソから、入荷時と出荷時の輸送費、豚のしめ代などを引くと、1頭につき5,000ペソを切るのだと言う。

仮に1頭売って4,800ペソの利益が出ると計算しよう。

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豚を育てる期間は4ヶ月だから、月計算だと4で割るから1200ペソ。

日割り計算だと、1200ペソを30で割るから、、、40ペソ。

朝から晩まで、豚のウンコとオシッコを掃除して140ペソかぁとなる。

 

ただ、オヤジいわく。

豚を1頭飼うのと、10頭飼うのは、同じ手間なのだそうだ。

豚小屋単位で考えて、そこを掃除する作業だったり、そこにエサを与える作業の手間は、何頭入っていても、1つの豚小屋の作業であり手間。

だから、豚が多ければ多いほど、効率が良くなるらしい。

 

まぁ、何の商売でも、ロッドが大きければ大きいほど、単価への経費は下がるわな。

だから、オヤジは200頭の豚を飼っているから、40ペソ×2008,000ペソの日給ってことだ。

すげえな おい。

 

なんだけど、ボーンアゲインのオヤジは、あまり金持ちじゃない。

そう、実は他にも経費が、かかっている。

もともと、このボーンアゲインのオヤジの家は、インファンタである。

どんな家かは知らないけど、インファンタに家がある。

 

何故、ロックバンにいるかと言えば、豚の飼育をする為である。

100キロにもなる豚が10匹収容出来る部屋を10部屋収容する施設を作るとバスケットコート1.5個分くらいのスペースになる。

小さな体育館くらいの大きさだ。

排水設備なんて、ちゃんとしていないから、掃除した汚水はそこら辺に垂れ流される事になる。

100キロの豚100匹分のウンコが日々垂れ流されるわけだから、結構なオイニーが発生する。

収容施設やニオイを考えると、かなりの広大な土地が必要となる。

 

んで、布教活動をしている時に、オヤジがここ良いじゃねーかと偶然見つけた場所がロックバンで、豚の収容施設付きで、毎月お借りしているというのが実際のところ。

 

事業開始に伴う借入金の返済があり、毎月の土地や施設の使用料、それと軌道にのったところで、もう一箇所100頭を飼育出来る場所を借りたので、大きい金額が入ってきても、大きい金額が出て行く状態になっているという。

 

うーん。

養豚場やりたいと思っていたのだけど、実際にやっている人の仕事を見て、試算をして、結果としては金額が大きすぎて、しばらくの間は、現実的じゃないなぁと思う。

 

養豚場をやる上で大事なのは、きっと土地なのだろう。

周辺に人間が住んでいれば、その汚物のニオイでトラブルが起きると思われる。

フィリピンは人口密度が高くなってきて、少々辺鄙なところでも人間が住んでいる。

 

ただ、養豚場をやってみたいと検討したのは、その体育館みたいな施設を作れる敷地があって、なおかつ汚水を撒き散らして問題ないジャングルが、イミテーションワイフの一族の土地にある。

だから、養豚場について、じっくり考察したり、興味津々に話しを聞いたりしたわけだ。

 

ただ、その施設を作るだけで、ハーフミリオンから1ミリオンくらいはかかるんだろうなぁと思う。

さらに問題なのは、そのすぐ近くに人がいないと、豚が盗まれるだろうから、近くに家も作らないといけない。

豚小屋レベルの家を作っても、ハーフミリオンくらいにはなるだろう。

なんだかんだ言って、2ミリオンくらい無いとスタート出来ない。

2ミリオンなら、14ヶ月で回収出来る計算だから、良い商売な気がするけど

1000ペソ冊を100枚まとめて見る日が、何年後になるかも分からないからなぁ。

 

アーァ、神様2ミリオンくれないかなぁ。

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